私の本業は農業です。
専業農家として生活をしていますが、前回のブログでは
農業がなぜ儲からないのかについて書きました。
前回のブログをご覧でない方は下記ブログをご一読いただけると幸いです。
hamakikusanblog.hatenablog.com
簡単に前回の内容をまとめると、理由としては大きく3点あるのではと
考えています。その3点は
1.小さな畑で農業をしている場合が多くそもそもの収入が少ない
2.売値を自分で決めることが出来ず、のちに売値が下がることが多い
3.天候により生産量が左右される
ということです。
では、農家として今後もやっていく、生き残っていくためには
どうしたらいいのでしょうか。
そのことについて、私たちが現在していることを含めて
今回は考えていこうと思います。
生き残るために
1.生産の規模を大きくする
単純な話で、薄利多売ならばその売る量を増やすということです。
ただ、これは簡単ではありません。
こうするためには農地を買う又は借りることが必要になります。
買うことは現実的ではありません。
農地といえど、広さによって数百万~数千万の費用がかかります。
その土地を買ったとしてそれに見合った収入を得て農地代を支払うことが
できるのかということになります。
となれば現実的には借りるということになります。
他の農家さんも畑を借りているという方は多いかと思います。
私たちも自分たちの農地で作っているところもありますが、
多くは借りた土地で生産しています。
私たちの所では土地を借りて広げるために、現在は県、市、同じ地域の生産者で
話し合いがあり、高齢で農業を続けられなくなった方の土地を借りることを
進めています。
2.希少価値の高いものを生産する
薄利多売の反対で売値の高いものを生産すれば量が少なくても収入が
伸びるのではという考えです。
その中にはブランド野菜、普通のスーパーでは売っていないような
珍しい野菜などを含んでいます。
その場合、ブランド野菜については時間や手間はかかりますがブランドが
確立し、周知されれば単価が上がって収入増加へつながるのではと思います。
また、珍しい野菜は生産の手間と売り先があるのかという問題があります。
生産するための種、肥料、生育の仕方、どのくらい期間、費用がかかるのか、
普段農協に出荷している場合、農協で買取してくれるのか、他の売り先を
探さなければならないかなどです。
これの解決が必要だと思います。
3.出荷先を増やす
現在は生産したほとんどの野菜を農協に出荷していますが、周りの農家さんの
中には農協を介さず直接市場に卸している方もいます。
私たちも市場への直接の卸しも考えていますが、現在は直販サイトを利用して
直接消費者の方に届けるということをし始めました。
この場合、何百キロ、何トンという量を出荷、配送は難しいですが、売値は
自分たちで決めることが出来ますし、手数料も農協の販売手数料よりも安いです。
昨年から始めて、今のところは品目は1つ、じゃがいものみにし、サイズも
1つだけとしています。
今後、品目やサイズ、また加工品(切り干し大根)についても販売できないかと
考えているところです。
これがうまくいけば、出荷先の分散、収入の増加にもつながるのではないかと
考えています。
4.6次産業化
現在はじゃがいも、キャベツ、大根を生産してそれを売って収入を得ています。
いわゆる1次産業です。
また、大根の一部は切り干し大根にして農協へ出荷、注文先への販売もしています。
この6次産業と言える部分を拡大できないかということです。
切り干し大根を作る手間は増えますが、単価は大根そのものよりも上がりますので
量を生産できれば収入増加につながると考えています。
また、先の3の項目でも触れましたが、後々は直販サイトで売ることが出来れば
いいのではと思い計画中です。
5.法人化
最後は法人化です。
法人化の大きなメリットは所得が一定以上ある場合、個人事業主の所得税よりも
法人税の方が安くなることで節税効果があることです。
ただ、私が考えるところ、年間利益500万以下の場合は節税メリットはありません。
それ以上の利益が毎年あるのであれば法人化を考えた方がいいと思っています。
法人化のメリットは他にも給与所得控除が可能、法人成り後2年間の消費税
納税免除、赤字を9年繰り越すことが出来る(青色申告の個人事業主は3年)、個人
事業主よりも経費に落とせる範囲が広いなどがあります。
ある程度の事業規模で収益があり、所得が500万以上ある場合は法人化を
考えた方がいいと思っています。
私たちの場合、法人化も考えましたが個人事業主のままの方がメリットが
あると考え、しないこととしています。
まとめ
農家として今後も生き残るには
1.生産の規模を大きくする
2.希少価値の高いものを生産する
3.出荷先を増やす
4.6次産業化
5.法人化
の5点が必要かと考えています。
すぐには出来ないものもありますが、出来るところから考えてやっていきたいと
思っています。
実際にやっているものもいくつかありますのでその結果でまた改善し、より良く
なるようにしていきたいと思います。
農家として生き残るためにできることを。
農業を辞めるつもりはありませんので応援いただければ嬉しいです。
それでは