農家は儲からないと思う。実際にそうだ。
私は静岡県で就農して6年目になります。
主な作物はじゃがいも、キャベツ、大根です。
そんな私が農業が儲からないと思う理由と今後農家として
生き残るためにどのようにしていくべきか書いていこうと思います。
※尚、私は研究者等ではなく一農業従事者ですのでデータに基づいた考えではなく
今までの経験等からくる私の考え、思うところを書いていきますので間違いも
あるかと思いますがご了承ください。
農業が儲からない理由
1.農業経営体の規模
農林水産省の令和6年農業構造動態調査結果(令和6年2月1日現在)によると
国内の農業経営体のうち法人を含む団体経営体はわずか約4.6%となっている。
つまり国内の農家の約95.4%は個人経営の農家ということだ。
個人経営の場合、大きな農地を使った大規模農業は出来ないので必然的に
小規模~中規模での農業を行うことになる。
同調査結果では1農業経営体当たりの経営耕地面積は北海道34.1ha(341,000m3)、
北海道以外2.5ha(25,000m3)となっている。しかしこの面積には法人、個人の
両方が入っているため個人農家はこの面積より小さくなる。
つまり、個人農家の場合少ない土地で作物を生産するため年間で生産できる
作物の量が少なくなり必然的に売り上げも少なくなる。
2.作物の出荷先
2020年の農林業センサスによると農業経営体の農産物出荷先1位は農協で
64.3%とされている。
私たちも今の出荷先のほとんどは農協です。
農協への出荷は全量買い取りしてもらえることはメリットとしてありますが、
大きなデメリットとして「買取価格の低さ」と「販売手数料の高さ」があります。
買取価格
農協出荷の際の買取価格は農協が決定します。
農家側には価格決定権はありません。
農協側が市場価格を見てそれにより価格が決まるため、出荷の時期により
価格が変動し、出荷後半になると流通量が増えて買取価格が下がることが
多いです。
買取の際は1本、1個単位での買取ではなくキロ単位もしくは10キロ単位などで
価格が決まります。
また、出荷前に契約により1キロ〇〇円などと決まっているものもあり、今年の
キャベツのようにスーパーでの値段高騰の時にも農家の収入は契約の価格が
決まっているのでそれ以上の収入はありません。
つまり、契約で最初に決まってしまうと、その後高騰しても農家の収入は
増えないということです。
販売手数料
農家の中には販売をするツテや手段がないというところがほとんどではないかと
思います。
農協へ出荷している農家は、農協に販売してもらっているため「販売手数料」が
買取価格から引かれます。
この「販売手数料」が高く、総買い取り額の20~30%を引かれます。
したがって、その時点で売上が20~30%下がるということです。
この販売手数料の高さが農家が儲からないと思う理由の1つです。
3.天候の影響
農業の場合、畑で野菜を生育、収穫するため多くが屋外になる。
昨年のように夏の時期が暑く、冬に雨が降らずとなると野菜が大きくならず
出荷できるサイズにすることが出来ない。
そうすると出荷量が下がる。
したがって売り上げが下がって収入が減る。
売上が大きく下がった際には補償もあるが、それでは通常の売上には及ばない。
生産量が少ないと売り上げは下がる。
多すぎると流通量が増え、単価が下がる。
そういう世界なのだと思う。
4.まとめ
農家が儲からない理由は簡単に言うと
1.小さな畑で農業をしている場合が多くそもそもの収入が少ない
2.売値を自分で決めることが出来ず、のちに売値が下がることが多い
3.天候により生産量が左右される
このようになると思います。
どれも多くの農家にとって問題となっていることですし、どうにかしようと
苦戦していることだと思います。
では、どうやったら一般のサラリーマン並み、またはそれ以上に稼ぐことが
出来るのだろうか。
また、今後も農家として生き残れるのだろうか。
次回のブログで考えていきたいと思います。
それでは。